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ゲームや遊びで負けた瞬間に泣く、怒る、物を投げそうになる。「楽しく遊ばせたいだけなのに、また気をつかってしまう」と、保護者が疲れたり、「このままで大丈夫かな」と不安になったりすることは自然なことです。
一方で、勝ち負けに強く反応することは、「うまくやりたい」「自分でできたと感じたい」という思いの表れでもあります。親子のどちらかを責める必要はありません。
5歳のプログラミング遊びでは、対戦で勝敗を決めるよりも、「考えた順番で動いた」「やり直したらできた」という過程を味わえるものが向きやすいでしょう。ここでは、画面を使わずに始めやすい商品を中心に、関わり方も含めて考えます。
「負けると怒る」子が遊びでつまずきやすい場面
プログラミング系のおもちゃには、目的地に着けるか、正しい手順を作れるかといった「できた・できない」があります。これが面白さになる一方、思いどおりに動かなかったときに悔しさが大きくなる子もいます。
心理の観点では、負けたこと自体よりも、予想と違う結果への驚きや、「失敗した」と感じるつらさが強い場合があります。発達支援の観点では、気持ちが高まったときに言葉で整理する前に反応が出ることもあります。診断や性格の問題と決めつけず、その日の疲れや空腹、遊びの難しさなども含めて見ていくことが大切です。
教育・保育の場でも、最初から「勝つこと」を目標にせず、試す、気づく、直すという流れを繰り返せる環境がよく用いられます。プログラミング遊びは、失敗を「次の作戦を考える材料」として扱いやすいジャンルです。
5歳では「競争」より「一緒に作戦」を選ぶ
5歳で始めるなら、次のような条件を目安にすると、気持ちの負担を抑えやすくなります。
- 1人でも遊べ、相手に負ける場面が必須ではない
- ボタンやカード、ブロックなど、操作と結果のつながりが見えやすい
- 間違えても何度でも入力し直せる
- 大人が「正解を教える人」ではなく「作戦を一緒に考える人」になれる
- ゴールまでの距離を短くして、小さな成功を作りやすい
最初から兄弟姉妹や友だちと対戦する必要はありません。「ロボットをチーズまで届けよう」「ぬいぐるみのところへ行けるかな」といった共通の目標を置くと、競争ではなく協力の遊びにしやすくなります。
5歳から検討しやすいプログラミング系3選
| 商品 | 対象年齢・人数 | 主な遊び方 | 競争/協力の作りやすさ | 親の関わり |
|---|---|---|---|---|
| キュベット プレイセット(プリモトイズ) | 3歳〜・1人〜 | ブロックをボードにはめ、ロボットを動かす | 1人遊びや親子協力に向く | 動く前に順番を一緒に確認する |
| コード&ゴー ロボットマウス 充電式(ラーニングリソーシズ) | 4歳〜・1〜2人 | 矢印カードを並べ、ネズミをチーズへ導く | 2人なら役割分担がしやすい | コースを短くし、やり直しを支える |
| TTS Bee-Bot プログラム可能な充電式ロボット | 3歳〜・1人〜 | ボタンで前進・回転を入力し、ロボットを動かす | マット上で共通の目的を作りやすい | 入力前後の見通しを言葉にする |
キュベット プレイセット(プリモトイズ)
合いやすい場面は、画面操作より手を動かす遊びが好きな子や、説明を長く聞くより試しながら理解したい子です。まずは目的地を近くに置き、「前に進むブロックを1つ入れたらどうなる?」のように、一手だけ試すところから始められます。
良い点は、命令の順番がブロックとして見えるため、考え直す場所を親子で指さししやすいことです。「失敗」ではなく「このブロックを変えてみよう」と扱いやすいでしょう。
注意点は、価格帯が高めであることです。長く遊べる設計とされていますが、購入前にレビューや内容を確認しましょう。
コード&ゴー ロボットマウス 充電式(ラーニングリソーシズ)
合いやすい場面は、「ゴールに届ける」という分かりやすい目的があると取り組みやすい子です。親子で遊ぶ場合は、子どもがカードを選び、大人がカードを並べるなど、役割を分ける方法もあります。
遊び始めは、カードを少なくして直線のコースにします。できたら曲がる動きを1つ加える、と段階を小さくするとよいでしょう。良い点は、結果が違ってもカードを並べ直して再挑戦しやすいところです。「チーズに着かなかった」ことを勝敗にせず、「次のカードはどれにする?」へつなげられます。
注意点として、Amazonの商品情報では言語が英語表記です。説明書が英語の可能性があるため、購入前に確認してください。
TTS Bee-Bot プログラム可能な充電式ロボット
合いやすい場面は、ロボットが実際に床の上を動く様子を見て、試行錯誤を楽しめる子です。マットを使う場合も、最初は近いマスを目的地にし、入力する回数を絞ります。
親子では、「目的地を決める係」「何歩進むか数える係」と役割を分けてもよいでしょう。2人で同じロボットを動かす形なら、どちらが勝ったかではなく、作戦ができたかに目を向けやすくなります。
注意点は、海外の教育用ロボットであることです。説明書の言語や発送までの日数を、購入前に確認してください。
怒りが出にくい始め方と声かけ例
遊ぶ時間は、子どもが比較的落ち着いているタイミングを選びます。最初は「ゴールまで行けたら終わり」にせず、「3回試したら片づけよう」のように、終わり方も先に共有すると見通しを持ちやすくなります。
声かけでは、結果の評価より、見ていた事実を言葉にします。
- 「思った場所と違ったね。どこから変えてみる?」
- 「悔しかったね。今は一回止めてもいいよ」
- 「前に進むところまでは作戦どおりだったね」
- 「お母さん(お父さん)はカードを並べる係をするね。次は選んでくれる?」
- 「勝負じゃなくて、ロボットをおうちまで送るチームにしよう」
「怒らないで」「そんなことで泣かないで」と急いで気持ちを止めようとすると、子どもが受け止めてもらえなかったと感じることもあります。まずは悔しさを短く受け止め、落ち着いてから次の一手を選べるようにします。
うまくいかないときの調整
怒りが強くなったら、その場で最後までやり切らせることだけを目標にしなくて大丈夫です。ロボットやカードを安全な場所に置き、水分をとる、別の遊びを挟むなど、いったん離れる選択もあります。
調整の例は次のとおりです。
- コースを短くし、曲がる動きや障害物を減らす
- 大人が正解を出さず、選択肢を2つに絞る
- 対戦をやめ、親子で一つのゴールを目指す
- 「今日は1回動かしたら終わり」までハードルを下げる
- きょうだいと遊ぶ場合は、交代制よりも役割分担にする
何度も遊びを中断する日があっても、合わないと結論を急ぐ必要はありません。ただし、遊び以外でも強い怒りが続く、本人や周囲が困り続けると感じる場合は、園の先生や地域の子育て相談窓口などに状況を共有することも選択肢です。
向く家庭・向きにくい場面
今回のような画面のないプログラミング系は、親子でゆっくり試す時間を作りやすい家庭、勝敗より試行錯誤を大切にしたい家庭に向きます。特に、子どもの「自分で決めたい」気持ちを尊重しながら、大人が難易度を調整できる環境では取り入れやすいでしょう。
一方、すぐに複雑なロボット作りやアプリ学習を求める場合、5歳には難しく感じることがあります。また、保護者が毎回長く付き添わなければならない形にすると、家庭の負担になることもあります。最初は短時間・簡単なコースから始め、親子ともに「またやってみよう」と思える量で終えることが大切です。
プログラミング遊びは、怒りをなくすための道具ではありません。しかし、失敗しても組み替えたり入力し直したりできる体験を通して、親子で「次はどうする?」を練習するきっかけにはなり得ます。


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