※ この記事にはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイトを含む)が含まれます。
ゲームや勝負で負けた瞬間に怒鳴る、物を強く置く、もうやらないと言う。保護者としては「勝ち負けを楽しめるようになってほしい」と思う一方、毎回言い聞かせることにも疲れてしまいますよね。
7〜8歳では、「負けて悔しい」気持ちをなくすより、気持ちを言葉にして、次の行動を自分で選ぶ練習につながる絵本を選ぶのが現実的です。勝ち負けを正面から扱う本だけでなく、怒りの奥にある思いを見つける物語も役立ちます。
まず知っておきたい、「怒る=負けず嫌い」だけではないこと
負けたときの怒りには、「悔しい」「恥ずかしい」「がんばったのに認めてほしい」「思った通りにできなかった」など、いくつもの気持ちが重なっていることがあります。
そのため、負けた直後に「怒らないの」「負けても平気でいて」と言われると、子どもは気持ちそのものを否定されたように受け取る場合があります。
家庭で先に目指したいのは、次のような小さな変化です。
- 負けて悔しいと言葉で伝えられる
- 怒っているときはいったん勝負から離れられる
- 落ち着いた後で「もう一回」「別の遊びにする」を選べる
- 勝った人をすぐにほめられなくても、相手を傷つけない形で終えられる
絵本は、本人の出来事を直接問い詰めずに、「この子ならどう思ったかな」と横から気持ちを考えられるのがよさです。
7〜8歳には「教える本」と「気持ちを映す本」を分けて選ぶ
この年齢では、幼児向けと表記された絵本でも、扱う感情やテーマが今の困りごとに合えば読む意味があります。ただし、言葉や展開を「赤ちゃん向け」と感じる子もいるため、購入前の立ち読みや見本確認が大切です。
選ぶ際は、次の2方向で考えると迷いにくくなります。
勝ち負けの場面で使う言葉を知りたいとき
「負けたらどうする?」を具体的に扱う本が向きます。ゲームを始める前、あるいは落ち着いている日に読むのがおすすめです。負けた直後の説教の材料にしないことがポイントです。
怒りの奥の気持ちを受け止めたいとき
勝負の話をすると反発しやすい子には、怒りや誤解、心の中の冒険を描く物語が合うことがあります。「あなたも同じでしょ」と結びつけず、まずは作品そのものを一緒に味わいます。
「負けると怒る」子に選びたい3冊
| 商品 | 対象年齢表記 | 人数・読み方 | 遊び方・使い方 | 競争/協力 | 保護者の関わり |
|---|---|---|---|---|---|
| かっても まけても いいんだよ ガストンのソーシャルスキルえほん(Kindle版) | 4歳〜 | 読み聞かせ | 勝負の前後に読む、気持ちを言葉にする | 競争を題材にする | 答えを求めすぎず、短く受け止める |
| かいじゅうたちのいるところ(冨山房) | 未確認 | 読み聞かせ | 怒りの場面を物語として味わう | 競争なし | 感想を無理に聞き出さない |
| おこだでませんように(Kindle版・小学館) | 未確認 | 読み聞かせ | 「怒られる側」の気持ちを一緒に考える | 競争なし | 大人の言い方も振り返る |
勝ち負けの言葉を増やしたい家庭に
『かっても まけても いいんだよ ガストンのソーシャルスキルえほん』は、勝っても負けても大丈夫というテーマの、感情をコントロールするスキルを扱うシリーズの第1弾です。対象年齢は4歳〜と表記されていますが、勝負のあとに何と言えばよいかわからない7〜8歳にも、入口として使いやすいでしょう。
合いやすいのは、負けると毎回「ずるい」「もうやらない」となり、切り替えの言葉を一緒に探したい場面です。
読んだ後は、内容の理解を確認するより、「ゲームで悔しくなったら、言えそうな言葉はある?」と一つだけ聞く程度で十分です。たとえば「悔しいから休みたい」「次は別のゲームにしたい」と、家庭で使う言葉を決めておく方法があります。
良い点は、困りごとの中心である勝敗と感情を結びつけて扱いやすいことです。一方でKindle版のため、読む端末を用意する必要があります。感想を無理に聞き出さないという注意もあります。
怒りを「悪いもの」と決めつけずに読みたい家庭に
『かいじゅうたちのいるところ』は、怒りで部屋に閉じ込められた主人公が、心の中の冒険を経て戻ってくる物語です。モーリス・センダックの作品で、紙の本として確認されています。メーカーの対象年齢表記は未確認です。
勝負の話をすると「またその話?」と嫌がる子や、怒った後に自分でもどうしてよいかわからなくなる子に向きます。勝敗から少し距離を置き、怒りが大きくなる感覚を物語の中で眺められます。
遊び方は、読み終えた後に「かいじゅうが出てくるところ、すごかったね」と印象を共有するだけでも構いません。「怒ったときはどうするの?」とすぐに本人の行動へ結びつけなくて大丈夫です。
良い点は、怒りを抱く子を単純に悪者にしない読み方ができることです。感想を引き出そうとしすぎないこと、対象年齢表記がないことは選ぶ際の注意点です。
「怒られてばかり」と感じている様子がある家庭に
『おこだでませんように』は、怒られてばかりいる少年の心の中を描いた絵本です。「いつも誤解されて損ばかりしている」少年の気持ちが描かれ、大人にとっても読み手としての気づきになると紹介されています。
負けて怒った行動には困っているものの、注意が続いて親子ともに苦しくなっているときに選択肢になります。「負けても怒らない子にする」より先に、子どもがどんなふうに受け取っているかを想像する時間をつくれます。
読み終えたら、「怒られると嫌な気持ちになること、あるよね」と大人自身の気持ちも含めて短く話す方法があります。子どもが黙っていても、答えを待ち続ける必要はありません。
Kindle版で、端末によっては一部読みづらい場合があるとされています。購入前に立ち読みで確認しましょう。
読んだ後の声かけは、「反省会」にしない
絵本を読んだ直後に「だから怒っちゃだめ」と結論づけると、子どもは本を注意の道具だと感じるかもしれません。気持ちを受け止め、次の一手だけを一緒に考えるほうが続けやすくなります。
使いやすい声かけの例です。
- 「負けて悔しかったんだね」
- 「今はもう一回やる気分? 少し休む気分?」
- 「怒りが大きくなったら、何て言って席を離れる?」
- 「勝負はここで終わりにして、別のことをするのもありだよ」
- 「次に始める前に、負けたときの約束を一つだけ決めようか」
「悔しいのはいいけれど、相手を傷つける言葉は使わない」のように、気持ちと行動を分けて伝えるのも大切です。悔しさまで止めようとしなくてよいのです。
うまくいかないときは、勝負そのものを小さくする
絵本を読んでも、次のゲームですぐ怒ることはあります。それは本選びの失敗とは限りません。感情が高まった最中に新しいやり方を使うのは、簡単ではないためです。
まずは遊び方を調整します。
- 時間がないとき、空腹や疲れがあるときは対戦を避ける
- 負けたらすぐ終了になる遊びは、落ち着いている日にする
- 大人が勝ち続けないよう、対戦の組み合わせや遊びを見直す
- 「1回だけ」「負けたら休憩」と始める前に決める
- 荒れ始めたら勝敗の話を続けず、安全に終える
子どもが怒っている間は、絵本の内容を思い出させようとしなくて構いません。落ち着いた後に、「次は休憩って言えたらいいね」と短く戻ります。
向く家庭・向きにくい場面を見極める
今回の3冊は、親子で読み聞かせをしながら、勝敗や怒りについて話す入口をつくりたい家庭に向きます。とくに、普段は落ち着いて話せる時間が少しでもあるなら、寝る前や勝負のない日に取り入れやすいでしょう。
一方、怒りが強い最中に読ませて行動を止めたい場合や、読書自体を強く嫌がる場合には、すぐの解決策としては向きにくいことがあります。そのときは本をいったん置き、遊びの時間や対戦回数を調整することから始めても大丈夫です。
「負けても平気な子」を急いで目指さなくても、悔しいときに自分と相手を傷つけない終わり方を、親子で少しずつ増やしていけます。

コメント