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「また取り合い?」「さっき仲直りしたばかりなのに」と、兄弟げんかが続く日には、保護者も心も体も消耗します。大きい子ばかり注意してしまったり、泣いている子を優先して「上の子の気持ちを見落としているかも」と不安になったりすることもあるでしょう。
5歳ごろは、自分の気持ちを言葉にする力が育つ一方で、悔しさや「自分も見てほしい」という思いがあふれると、行動が先に出やすい時期です。兄弟げんかは、どちらかが悪いから起こるとは限りません。絵本はけんかをなくすための道具ではなく、気持ちや出来事を親子で少し離れて眺める入り口として使えます。
5歳の兄弟げんかで、絵本を選ぶときのポイント
兄弟が登場する絵本でなくても、「怒り」「悲しさ」「わかってほしい気持ち」などを扱う作品は、兄弟げんかを考えるきっかけになります。5歳向けには、次の点を目安に選ぶと無理がありません。
- 気持ちを悪者にしない内容
「怒ったらだめ」ではなく、怒りの奥にある気持ちにも目を向けられる作品が向きます。
- 家庭のけんかと直接結びつけすぎない内容
読みながら「あなたと同じ」と指摘されると、責められたように感じる子もいます。まずは登場人物の話として楽しめるものを選びます。
- 短い会話や遊びに広げられる内容
読後に詳しい感想を求める必要はありません。「どんな顔かな」「今はどんなくもかな」程度で十分です。
- 子どもの反応に合わせられる形式
Kindle版は親子で画面を見やすい環境を整え、購入前には立ち読みで絵や文字の見やすさを確かめましょう。
兄弟げんかに寄り添う絵本3選
きもちのくも(Kindle版・こどもの時間舎)
合いやすい場面は、けんかの直後ではなく、気持ちが少し落ち着いた時間です。「何があったの?」と詳しく聞くより、気持ちそのものに目を向けたい家庭に向きます。
遊び方は、読み終えたあとに「いまの気持ちは、どんなくもに近い?」と聞く方法があります。答えたくないときは、子どもが絵を指すだけでも構いません。親も「お母さんは、ちょっと雨のくもかも」と短く伝えると、気持ちを言葉にする見本になります。
良い点は、兄弟のどちらが正しかったかを決めずに、両方の気持ちを扱いやすいことです。
注意点は、レビューがまだない新しい絵本とされている点です。立ち読みで、5歳の子が親しめそうな表現か確認してから選びましょう。
おこりんぼライオンくん(Kindle版・こどもの時間舎)
合いやすい場面は、怒ったときに叫ぶ、物を強く扱う、言葉がきつくなるなど、「怒り方」が家庭で気になっている場合です。子どもをライオンくんと重ねるのではなく、怒りという感情について一緒に考えるために読みます。
遊び方としては、「ライオンくんのガオーは、どのくらい大きかったかな」と声の大きさをまねしたあと、「小さい声のガオーもあるかな」と遊びにしてみる方法があります。怒りを我慢させる練習ではなく、強さや出し方にいくつか選択肢があると知る機会にします。
良い点は、怒りを題材にしながら、子どもの気持ちを否定せずに読みやすいところです。
注意点は、レビュー件数が少ない新しい絵本であり、内容は商品説明にもとづく点です。購入前に立ち読みをし、家庭の状況に合うか確かめてください。
おこだでませんように(Kindle版・小学館)
合いやすい場面は、兄弟げんかのあとに「またあなたがやったの?」と、いつも同じ子を先に注意してしまうことが気になっているときです。子どもに反省を促すためではなく、保護者が子どもの見えにくい思いを想像するためにも使えます。
遊び方は、読みながら質問を重ねるより、「この子、どんな気持ちかな」と一度だけつぶやく程度がおすすめです。読後に子どもが何も話さなくても、抱っこやお茶の時間など、安心できる時間を一緒に過ごすだけで十分です。
良い点は、行動だけでは判断しにくい子どもの内面を、大人が考えるきっかけにしやすいことです。
注意点は、端末によって一部読みづらい場合があると案内されている点です。Kindle版のため、購入前に立ち読みで表示を確認しましょう。
3冊を比較して、家庭に合う1冊を選ぶ
| 絵本 | 対象年齢表記 | 読む人数 | 遊び方の例 | 競争・協力の要素 | 親の関わり |
|---|---|---|---|---|---|
| きもちのくも(Kindle版・こどもの時間舎) | 3〜7歳くらい | 読み聞かせ | 気持ちをくもにたとえる | 勝ち負けを扱わない | 気持ちを短く言葉にする |
| おこりんぼライオンくん(Kindle版・こどもの時間舎) | 3〜7歳くらい | 読み聞かせ | 声の大きさをまねして遊ぶ | 勝ち負けを扱わない | 怒り方の選択肢を一緒に探す |
| おこだでませんように(Kindle版・小学館) | 未確認 | 読み聞かせ | 登場人物の気持ちを想像する | 勝ち負けを扱わない | 子どもの背景を想像して聴く |
兄弟で一緒に読む場合も、「ちゃんと聞けたほうがえらい」「先に答えたほうが勝ち」といった競争にしないことが大切です。同じ絵を見ても感じ方は違います。答えをそろえるより、「そう思ったんだね」と受け止める時間にしましょう。
家庭で試しやすい関わり方
登場人物を通して気持ちを眺めることで、直接自分のことを話す負担を減らせる場合があります。「怒っていたね」「悲しかったのかな」と、気持ちに名前をつける手がかりになります。
5歳の子が出来事と感情を結びつける練習として使えます。ただし、言葉にできない日があっても自然です。絵を指す、黙って聞く、別の遊びを始めることも反応の一つとして受け止めます。## 読後の声かけ例と、うまくいかないときの調整
声かけは、子どもを評価したり、反省させたりする形を避けます。
- 「ライオンくん、すごくいやだったのかもしれないね」
- 「お姉ちゃんにも、弟くんにも、それぞれのくもがあるのかもね」
- 「話したくなったら聞かせてね」
- 「次に取り合いになったら、どうしたら少し楽そうかな」
- 「お母さんも、急いでいるときは言い方に気をつけたいな」
子どもが「つまらない」「読みたくない」と言うときは、説得せず本を閉じましょう。けんか直後で興奮しているなら、まず安全を確保し、落ち着くまで絵本は後回しにします。また、兄弟の片方だけに読ませると「自分が悪いと言われた」と受け取ることもあります。保護者が先に読む、別々の時間に読む、気持ちの話をしないで物語として楽しむ、といった調整ができます。
向く家庭・向きにくい場面
気持ちを言葉にすることを、親子で少しずつ試したい家庭には感情を扱う絵本が向きます。兄弟それぞれの言い分を急いで結論づけず、日常の会話を増やしたい場合にも取り入れやすいでしょう。
一方で、けんかでけがの心配がある、強い怒りが長く続く、家庭だけでは対応が難しいと感じる場合は、絵本だけで抱え込まないことも大切です。園の先生や地域の子育て相談窓口など、状況を知る人に相談する選択肢もあります。


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