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「遊びを終われない」「負けると次の活動に進めない」「朝の支度で毎日声をかけ続けている」。そんな場面が重なると、保護者も疲れます。「甘やかしているのかな」「もっと厳しく言うべき?」と迷うこともあるでしょう。
けれど、切り替えに時間がかかることは、子どもが気持ちを大切に感じていることや、次に何をすればよいか整理する途中であることとも考えられます。親子のどちらかを責める必要はありません。絵本は、困っている最中に教え込むためではなく、落ち着いている時間に「気持ちには名前がある」「気持ちは変わっていくこともある」と親子で眺めるための入り口になります。
6歳の「切り替え」に、絵本をどう役立てるか
6歳ごろは、園や学校での集団生活、友だちとの遊び、勝ち負けなど、気持ちを調整したい場面が増えやすい時期です。一方で、悔しさや不安が強いときに、言葉だけで気持ちを切り替えるのは簡単ではありません。
絵本を使う目的は、「読んだらすぐ切り替えられるようにする」ことではありません。次のような可能性を、親子のペースで試すためのものです。
- 心理の観点:怒り、悔しさ、寂しさなどを、登場人物の気持ちとして安全に見つめる
- 発達支援の観点:出来事、気持ち、次の行動を順番に考える練習のきっかけにする
- 教育の観点:勝敗や失敗について、自分と異なる見方があることに触れる
- 保育の観点:読後の会話や遊びを通じて、日常で使う短い言葉を増やす
子どもが話したくなさそうなら、感想を聞かずに読み終えて大丈夫です。「読めたね」と閉じるだけでも、親子で同じ物語を共有した時間になります。
選ぶときは「気持ち」「場面」「親の負担」を見る
切り替えが苦手な子に絵本を選ぶときは、年齢表記だけでなく、困りやすい場面と読み方を考えてみましょう。
まず、怒りが強く出る子には、怒りの奥にある気持ちや、気持ちの変化を扱う作品が選択肢になります。負けた後に長く引きずりやすい子には、勝ち負けを正面から扱う物語もよいでしょう。ただし、「こう感じるべき」と結論を急がせないことが大切です。
また、6歳では物語を楽しめても、長い対話が負担になることがあります。保護者が毎回「学びの時間」にしようとせず、1ページだけ眺める、好きな場面を選ぶ、といった短い関わりから始められる本が向いています。
3冊の比較
| 商品 | 対象年齢・形式 | 人数・読み方 | 遊び方の例 | 競争/協力の要素 | 親の関わり |
|---|---|---|---|---|---|
| きもちのくも(Kindle版・こどもの時間舎) | 3〜7歳くらい・Kindle版 | 読み聞かせ | 気持ちに合う「くも」を選ぶ | 勝敗なし | 気持ちを決めつけず見守る |
| かっても まけても いいんだよ ガストンのソーシャルスキルえほん(Kindle版) | 4歳〜・Kindle版 | 読み聞かせ | 勝ち負けの場面を物語に重ねる | 勝ち負けがテーマ | 結果より気持ちを受け止める |
| かいじゅうたちのいるところ(冨山房) | 対象年齢表記なし・紙の本 | 読み聞かせ | 印象に残った場面を眺め直す | 勝敗なし | 感想を求めすぎず読む |
気持ちの変化を見つめるなら「きもちのくも」
遊びを終えるときに怒りや不満が出やすい子には、「いまの気持ちは、どんなくもっぽい?」と、直接「怒っているの?」と尋ねずに使えます。子どもが答えなければ、保護者が「お母さんは、急いでいて小さい雨雲かも」と自分の気持ちを短く示す方法もあります。
良い点は、切り替えそのものを急がせず、まず気持ちに目を向けやすいことです。予定変更や帰宅前など、落ち着いている時間に繰り返し読めるでしょう。
一方、レビューがまだない新しい絵本とされているため、購入前には立ち読みで、絵や言葉の雰囲気が子どもに合いそうか確認してください。Kindle版です。
勝ち負けの後を考えるなら「ガストンのソーシャルスキルえほん」
すごろく、カードゲーム、かけっこなどで負けた後に気持ちが切り替えにくい場合は、勝負の直後ではなく別の日に読むのがおすすめです。読み終えた後は、「勝つとうれしいよね」「負けたら、いやだったね」のように、結果の評価ではなく感情を言葉にします。
遊び方は、「勝ったときの言葉」「負けたときに言ってほしい言葉」を親子で一つずつ考える程度で十分です。たとえば、「悔しいから、もう一回したい」「今は見ていたい」といった言葉を、次の遊びで使える候補として用意しておけます。
良い点は、子どもが困りやすい勝敗の場面を物語を通して扱えることです。ただし、読後に感想を無理に聞き出す必要はありません。Kindle版である点も、読む環境に合うか確認しましょう。
強い気持ちを物語として受け止めるなら「かいじゅうたちのいるところ」
怒りが大きくなった後、なかなか次の行動へ進めない子にとって、「怒った気持ち」をすぐ消すのではなく、物語の中で眺められることがあります。読み聞かせでは、登場人物の行動を正解・不正解で評価せず、「すごい顔をしているね」「帰ってきたね」と絵にあることを言うだけでもよいでしょう。
読後には、好きな場面を開いておく、怪獣の表情をまねしてから深呼吸する、紙に「今日の怪獣」を描くなど、言葉に頼りすぎない遊び方もできます。
良い点は、子どもの強い感情を小さく扱わず、想像の世界として共有できることです。ただし、感想を聞かれることが負担な子もいます。「どう思った?」を急がず、読み終えたら静かに閉じる選択も大切です。Kindle版はAmazonで見つからなかったとされているため、紙の本として検討します。
声かけと、うまくいかないときの調整
絵本で扱った言葉を、困りごとの真っ最中にそのまま使おうとすると、子どもには注意や指示のように聞こえることがあります。短く、選べる形で声をかけます。
- 「まだ遊びたい気持ちがあるんだね」
- 「今は雨雲みたいな気分かな」
- 「次にすることは、靴をはくこと。それとも水を飲むことからにする?」
- 「悔しかったね。話すのはあとでもいいよ」
- 「終わりは変えないけれど、一緒にここまでやろう」
読んでも反応が薄い、同じ場面で怒りが続く場合は、絵本が合っていないと決めつけなくて大丈夫です。読む時間を就寝前から休日の昼へ変える、最後まで読まずに1場面だけにする、質問をやめて保護者が読むだけにする、といった調整ができます。
家庭での声かけだけでは対応が難しいほど、生活や集団参加に強い負担が続くと感じる場合は、担任、園や学校の相談窓口、地域の子育て相談先などに、具体的な場面を伝えて相談する方法もあります。

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